天気の子で厨二心になる
本当に便利な時代になった。
僕はVHSでテープが擦り切れるまでBTTFシリーズやインディージョーンズやグーニーズなどなど齧りついてたし、定期的にビデオレンタルショップでXファイルを借りては返し借りては返し、半永久的に観ていた少年だった。
毎年ドラえもんの映画を家族で観に行き、中学生になればタイタニックを見るために名古屋駅まで自転車で走ったりもした。
ここ数年はというと、猫も杓子もストリーミング配信になり貸出中のラベルに泣くことは無くなったし、TVも50インチがミドルサイズ扱いだそうだ。
個人的には子供を連れて映画館に行くハードルは高く、映画に浸れる環境は家で十分と自己暗示かけている。
そんなワケで近年は映画館に行くことがめっきり少なくなったけれど、今回はタイミング良く映画館に出向く時間も取れたので観てきました。
新海誠の映画は『ほしのこえ』を当時何かの拍子に観たのが最初で、ものすごいインディー色ながらもメチャこだわってるのが伝わってくる光の描写が印象的。話は退廃的な世界を舞台にしたSFで、主観だと少し前にあった最終兵器彼女という漫画に近い空気感。刺さる人には刺さる作品だったと思う。
今作は、『君の名は』が爆売れしたのもあり、客層は10代〜50代くらいの幅広さはあったかも?前作のようなキャッチーなストーリーが知名度を上げたのは間違いないだろうと思う。『ほしのこえ』みたいな尖った世界観の映画だと難しいのかな。SFというジャンルも厳しそうだ。。
そういう意味で『天気の子』は
お約束的なボーイミーツガールの展開を引っ提げて
実在の街を超絶綺麗に描いた聖地巡礼推奨の風景で
現代を舞台にしたファンタジーをメインストーリーに
複雑な10代の気持ちを表現しつつアクションシーンを散りばめる
そんな前作に負けないレベルのキャッチーさが詰め込まれてた。
並べ立てるとベタ過ぎて批判っぽくなるけど、全体通して飽きない展開で面白かった。
世界観としては基本は大人の世界をリアルに表現していて、主人公は振り回される側の立場が多い。社会(それも東京の極端な部分)に揉まれる描写が多いので、このあたりはちょっと苦手意識とか好きじゃない人がいるかもしれない。
ただ、この主人公の青臭さとか、反発する心境とか、思春期の雰囲気が抜群に上手い。この厨ニ感が刺さる人はノスタルジーを感じ取れたと思う。嫌いじゃない。
ストーリー展開的には強引なところもあるし消化不良な伏線もあったけど、主人公ふたりのボーイミーツガールと映像美があればお腹いっぱい満足です。
ちなみに一緒に観に行った嫁は大満足。
非常に面白かったとの感想だったが、「端々に謎の童貞感がある」と言っていた。
なるほど、なんとなく解る気がする。。